―――桜がひらひらと風にのって舞う。 私はは新しい制服の袖に腕を通した。 ちょこんついていた埃を、 指でさっとはらい、スカートのしわをチェックする。 漣 みく、今日から高校1年生。 小さな港町の高校に入学する。 地元からは、ちょっと離れた場所にある高校だけど、 電車で30分ぐらいだから丁度いい。 そんな所を選んだのには、 ちゃんとした理由がある。 1つ目は、凪が通うから。 凪は私の古くからの親友。 いつも一緒。 誰よりも私のことを知っていると思う。 2つ目は、寮があるから。 休日には家に帰ろうかと思うけど、 普段はずっとここで暮らす。 それがちょっとした私の夢だった。 1人暮らしみたいなこと。 誰よりも早く、自立したかった。 親に迷惑をかけるのは、 もう嫌だ。 あの夜、親がリビングで泣いているのを見たあの時から…。 私の人生は変わったんだ。 普通の女の子のはずだった。 だけど…。 あの宣告を受けた日から―――。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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