芟Nでいっぱいいっぱい
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今日の学校

つまらんかったな…

何でて理由ははっきりしとる。

今日、和葉が風邪で休みよったんや。

昨日はけろっとアホ面しとったくせに急に熱だして寝込んどるらしい…

そんで今、オレは学校から直接和葉ん家に向かっとる。






―遠山家―

「おーいかずはぁ〜」

幸い和葉のオカンがおって家に入ることができてオレは和葉の部屋へと向こうた。

すっと入口の戸を開け、中に入る

「……寝とるんか?」

小さな寝息をたて、ぐっすり寝とる

「ん?」

部屋の中央のミニテーブルの上にあるノート…

確か提出ものやったな…

勉強しとったんか…?

そぉゆうたら昨日もなんや横でごちゃごちゃ言うとったわ…

起こさないよう、音を立てんとそっとベットの横に腰をおろした。

ぐっすり眠る和葉の額に軽く触れる

熱は下がったんやな…

「う〜ん」

嫌そうな表情で小さく唸る

「…かわぇ……」

思わず声になってしもた…

「……ん…へいじ…?」

「ぁ、起こしてしもたか?」

「……ぅん。」

そこきっぱり言うんや…υ

「熱は下がったみたいやな?」

「うん。」

「体調は?」

「平気。」

あれ?

妙に調子良さそうやん…?

「おまえ、学校休むほどひどかったんか?」

「……何で?」

コイツ動揺しとる…

「いつも熱あっても来るやんか」

オレが気ぃつくからええもんの、ほっといたら倒れるまで我慢しよるからな…

「そんなことあらへんよ…」

「ある。」

はっきりと言うたった

そしたら…

「……学校行きたなかってん」

重そうに口を開いた…

「……何でや?」

あない学校大好きっ子がこんな事言うなんて事件や…

「何でもや。」

ムッ……

オレから目を反らした

なんやムカつくわ…

和葉がオレにその理由を言おうとせぇへん

「何で答えへんねん!オレに隠し事なん百万年早いで!」

「言いたないからや!」

怒ったように頭から布団を被った

「なっ…ムカつくやっちゃな…」

「平次には言いたないの!絶対!!」

布団の中からこもった声で怒鳴っとる…

「……何やねん…」

えらい腹立つわ…

和葉のことで解らんことあるとイライラする

ごっつ気になる…

「おい!!」

ばっと和葉の被る布団を剥ぎ取り

「何があってん!」

「……」

だんまりや…

寝とったせいか少し瞳は潤んどる

「おい…こら、何か喋らんかい…」

急にチカラのない声になってしもた…

「…せやから平次には関係ないっちゅうてんの!」

ばっと起き上がりオレに大声をぶつける

「何でオレには関係ないねん!おおありやろ!!」

「……」

まただんまりか…

て思たら次に

「……いじめにあってん…」

「・・・・・・はあ!?」

オレの思考が停止寸前に陥った

「だ、誰にや…?」

思ってもみなかった和葉の言葉に動揺しながらオレは聞く

「……平次。」

ピンと和葉の人差し指がオレを指す

「・・・・・?」

オレ?

「えっと…どうゆうこっちゃ?」

「解らんの!?……ありえへんわ…」

怒ったと思たらぷいっと子どもみたいに横を向いた…

「……」

不覚にもその行動が可愛くて…

思わず笑てしもた

「何なん…」

ジトっとした目でオレに向き直った

「いや別に…」

「…」

今度はぷくっと頬っぺた膨らましてムッとしとる

それはそれで可愛いすぎんで…

「…それよりさっきの説明せぇへんと、ちゅーすんで。」

「なっ//」

したいんは事実。

説明してもするつもりやけど。

「どーする和葉ぁ?」

「平次…アタシで遊んどるやろ…」

「ん。おまえのズル休みのせいで学校つまんらんかったんやから、ちょっとぐらいかめへんやろ?」

それもホンマ。

和葉おらん学校……いや、生活考えられへんし…υ

「ズル休みとちゃうもん!熱もホンマにあったんよッ//」

「ほー」

ピッタリとデコを重ねた

「ぇ…///」

キスしそうな勢いやけど…

「ほんで、さっきの答えは?」

オレは質問を続けた

「えっ…と…平次、アタシがおらへんで寂しかったん?」

質問で返してきた和葉とばっちり目が合うた…//

ほんの数センチ……もないこの距離で…

和葉のその大きな潤んだ瞳がオレを見つめる

熱くなるんが解る…

「ぁ、ぁほ…//」

目を反らすためにオレは目を閉じた

反らすためだけやなくて……

「ん!?」

そのまま和葉にキスした…

「…もうッ// せやから!!」

「?」

真っ赤になってオレを見る

「それや…アタシが学校行きたなかったんは//」

「はあ?どぉゆうことや…?」

「昨日学校で…///」

「学校で?……あっ…」

解った…

「おまえ、あんなん別にええやろ…」

「あんなんてッ///」





―昨日―

ふとしたことで…

オレらは学校でキスした。

その理由は変な虫を追っ払うため

和葉に言い寄る1人の男がおって…

例のごとく和葉は何も解ってへんでソイツと仲良うしとって…

それにだんだん腹が立って、気ぃついたら和葉抱き寄せてキスしとった…

しかもディープにも移りそうやった…

……ちゅうか、してしもてん…υ

周りがそこまで気づく前に和葉が離れたからそこまででとどまったんやけど…





それかい…

おまえが学校行きたないっちゃうんは…

「あれはおまえが……アホやから……」

「何なん! アタシのせいなん//」

「そぉやそぉや、和葉のせいやて…」

「…そんなん言うたら、アタシ、平次のこと“嫌い”言うで?」

……え!?

「や、すまんッほんま堪忍//」

一番辛いわそれ…

「もう学校でせぇへんて約束して」

「……それ言うんやったら和葉、オレ以外のヤツと仲良うすんな」

お互いの視線が交じる…

「…平次、妬いとったん?」

「……そぉや/// せやから…学校でされたなかったらおまえが…て!?」

オレに抱きついた…//

あまりの不意打ちに

「…か、和葉……ちょ…おまっ//」

オレの心臓はありえへんほどドクドクいうとる…

「嬉しいわ…平次が妬いとってくれて…


「……和葉…オレ、いくらでも妬いたるけど、独占欲強いっちゅうことは覚えとけよ?」

オレにピッタリくっついとる頭をぽんと撫でてやる

「…アタシは平次しか好きにならへんよ?」

「〜〜////」

あ〜〜

やられたわ…

そのニコッて、その角度で見上げられたらアカンわ…

「……そぉか…ほな…」

ゆっくり和葉の顎を持ち上げて…

キスした。

やらかいキス…

ほんで、ゆっくりと味わう…

そぉすると、

「……ちょっ///」

和葉が我に返ったように唇を離した

「こらオモロいなw あん時と同じ顔や(笑)」

「平次ぃー///」

「オレも和葉しか好きにならへんで?」

最初みたいにデコをひっつけた

「///」

何も言わんとオレを真っ直ぐその困ったような瞳で見つめて…

オレまで顔が熱くなる…

「な?」

「……ぅん…」

和葉がゆっくりとオレにキスする…

ゆっくりとオレの首に手を回す…

ゆっくりとオレも和葉の腰に手を回す…

ゆっくりとお互いに味わう…

オレも、和葉もほんまに和葉しか、オレしか見えてへんねん…

他の誰かには変わらへんのや。

解っとるけど絶対離したない…

オレの全部は和葉でいっぱいなんや…

そぉ思ってるのはたぶんオレだけやないな。



〜END〜



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