艫Tラリと言わないで欲しい
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―平次の部屋―

『え〜ん…』

何やらおかしな泣き声が聞こえる…

部屋のドアノブを回そうとしていた和葉の手が一瞬止まった…

が、次の瞬間勢いよくドアが開く…

「平次ッ!!!」

と大きな声と共に…

「おわっ!? 何やねんいきなり現れよって…」

そこには平次…だけではなく…

「…何なんその子…?」

先ほどの声の主…

平次の腕に抱かれている赤ん坊…

「ん?オレの子。」

「・・・・・ぇ?」

目を見開き、声にもならない声をやっとのことで出した

「ウソやウソッ///本気にすんなアホ///」

あまりにも驚く和葉に慌てて否定の言葉を返す

「……」

『わーん』

赤ん坊は2人をお構いなしに泣き続ける…

「ああちょっ…ほれほれ泣くなて…」

必死に赤ん坊をあやす平次だがぎこちないにもほどかある…υ

「…和葉、頼むわ。」

ほいっと素早く赤ん坊を和葉に手渡す

「ぇ!?ちょ…ああよしよし…」

平次とは違い慣れた手つきで赤ん坊をあやす

するとすぐに泣き止み、きゃっきゃ言って喜んでいる。

和葉はそのままあやしながら平次に聞く

「なぁこの子どうしたん?まさかほんまに…?」

「アホぬかせ//オカンの知り合いの子や。なんや急に用事で赤ん坊の世話できひん言うてて、せやからオカンが世話引き受けたんやけどオカン買い物いってまうしで…はぁ……」

深い溜め息が思わず出てしまう

「…何やそぉゆうこと」

「ああ。和葉ちょおどええとこ来てくれたわ。オカン帰って来るまで面倒みんの手伝うてくれ」

「うん!そぉゆうことやったらええよw」

よしよしと赤ん坊をあやす和葉はまるで…

「なんや?オマエ赤ん坊抱くん上手やん?」

「ぇ、うん。赤ちゃん可愛えやろ、せやからよう知り合いの子抱かせてもろとったから。」

「…へぇ……」

不覚にもみとれてしまっていた平次…

「ほんま可愛えなぁ」

そんな平次には気づきもしないで赤ん坊を見つめる和葉…

「なぁ平次、なんやこうしとるとこの子の親になった気分やなぁ?」

「なっ//……そ、そぉやな…」

しっかりどもっている平次に和葉は、

「こんな子欲しいなぁ?」

まるで平次の言いたいことを判らずにさらに無意識な言葉を発する…

「アホ…//」

「え?……ぁ、ちゃ、ちゃうよそぉゆう意味ちゃうよ///」

ようやく意味が解り大慌てで否定する

「当たり前じゃぼけぇ……たくっ…」

どすっと腰をおろし

「なんや疲れるわ…」

と呟く…

「何?平次何もしてへんやん」

隣に座る和葉は何も判っていない…

「……あほ。赤ん坊やないわ、おまえじゃぼけ…」

聞こえるか聞こえないかギリギリの声で平次はぼそりと言った…



continued...


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