好きな季節
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夏…

夏やな…

蝉がやかましく鳴いとる

どうしてこう蝉っちゅうんは夏の虫なんやろ…

よけい暑ぅなるだけやん…






平次は未だベットに寝転がり暑苦しさにイライラしていた。

夜もなかなか寝つけず、朝方にようやくうとうとしだし、ほんの少し眠った…

ほんの少しだけ…

日が完全に昇ってしまえばヤツらの時間だ。

平次の部屋は窓全開、部屋の戸も開いている。

うるささに一度は窓を閉めようと思ったがむんむんと漂う夏の空気…

それはあえなく断念。

タンクトップに短パン…それでも暑い…

動かずとも汗が垂れてくる…





どぉにかならんのか…

アイツら…

「…あーやかましい!!…………はぁ……ん?」

この足音…?

「平次おっはよぉww」

やっぱし…

またやかましいのが増えよった…υ

和葉はいきおいよく部屋に入るとオレのいるベットの隣に座った。

「何しに来てん?やかましいのは蝉だけにしてくれや…」

「はあ?やかましいてアタシのこと?」

ああ、そぉや。

お前以外に誰がおんねん…υ

…なんて言うたら怒るやろな

「いや、まだ平気やからぎゃーぎゃー言うなや…」

「まだて…邪魔やったらアタシ帰るけど…」

「ぇ……」

ほんまに無意識やった…

ほんまに。

「な、なに…//」

オレは立ち上がろうとした和葉の腕を掴んだ。

「ぃ、いや…別に“帰れ”とは言うてへんやろ?」

「ぇ…ぁ、ぅん…ええの?」

「ん。」

ぶっきらぼうにそう返し、掴んだ和葉の腕を離した。

「…なあ平次?」

「あ?」

「クーラーどうしたん?」

そお

クーラー…

アイツは確かに数日前まではオレの部屋に存在しとった…

「壊れた…」

「ええっ!?……こんな真夏に?」

「ああ…υ」

ほんまにタイミング悪すぎやんな…

「扇風機とかはないん?」

「…欲しかったら下からパクってこいや」

「アタシに2階まで運ばす気なん!」

「ほな我慢せえ」

「…ぁ、ほんなら下の部屋行こうやw」

ムッとした思たらニコッて笑ってそんなこと言いよる…

「……オレが持ってきたるわ…」

ジトっと和葉を見てからオレはばっと起き上がり下へと向かう。

何でやろな…

このまま居間なんか行ったらオカンに和葉とられてまうからな…

って…オレ、オカンにまでやきもちかい…υ

手際よく、オカンにも気づかれず部屋から扇風機を盗み出したオレはそれを自室へと運ぶ。

「ほれ、」

「ありがとぉ……わっ!」

振り向いた和葉に缶ジュースを放った。

さっきついでに冷蔵庫からジュースも盗み出した。

「飲むやろ?」

「うんw」

カチッと缶の蓋を開ける和葉

オレは扇風機をセットして電源を入れる。

「うわっ!?もぉ平次!!」

“シュー”という音とともに和葉の叫び声がオレにぶつかる…

「…何してんねん(笑)」

オレのあげたジュースは炭酸…

オレが今さっき投げたことによって中身が溢れて和葉が怒っとる

「平次のせいやろ// アホッ炭酸なら早言うてや!!」

言わずとも判れや…

と思わず言いたなった…

「ってその前にティッシュティッシュ…」

幸い和葉が座っとったためか、服やら手やら足がほんのちょっと濡れただけで、床には被害あらへんかった。

「早拭いてや平次!」

「ん。」

……って!?

「オレが拭くんか?」

「アタシ、缶持っとるし手ぇ濡れてしもてるんやもん……」

「いや、せやけどなあ…υ」

お前…

自分が女っちゅう意識ないんか?

ほんでオレは健全な男やで…υ

「もうええよ、自分で拭くから早、ティッシュちょうだい」

「ぁ、おう…」

全く意識ないやんな…コイツは…

急いでこぼれたジュースを拭き取っていく。

「まあええか…」

「ぇ、何が?」

オレがぼそりと呟いた言葉にキョトンと顔をオレに向けた…

「ぁ…いや、ほれ扇風機つけたで。」

「うん、ありがと。平次w」

……

あ〜〜〜

アカンかも……

その一瞬の笑顔にオレは吸い込まれる…

今すぐ抱きしめたい…

「和葉…」

ひょいっと和葉が手に持つジュースを取り上げてオレはしゃがむ

「ぇ……?」

訳が解らずにオレを見る

「好きや。」



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