校舎からの視線
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今日は秋晴れもいいとこ…

夏のような日差しの下には平次がいる

和葉は教室の窓からそれを楽しそうに見る

「なあ和葉ぁ?」

「えっ?」

クラスメイトの咲季が和葉を呼ぶ

「なにぼぉーっと服部くんのこと見とるん?」

「なっ// そ、そんなんちゃう!」

ニヤニヤ面白そうに和葉に聞くと和葉は反射的に否定する

「可愛え… 服部くーん♪」

「ん?」

いきなり咲季に呼ばれた平次は振り向く

声がするのは校舎3階

平次は校庭からその場所を見上げる

「なんやねん?」

何か用かと尋ねると咲季が手を振る

隣で和葉は隠れる…

「?」

訳が解らず平次は咲季を見る…

咲季はニコニコと手を振る…

和葉はちょっぴり羨ましく思う…が、

「和葉おるんかー?」

平次が自分の名前を呼んだ…

これまた反射的に和葉は窓から身を乗り出して聞き返す

「な、なに平次?」

「ん、いや…なんもない。」

と、片手を振ると平次はどこかへ行ってしまう…

「なんや嬉しそうやね和葉」

「…うん…。」

コクンと小さな声とともに頷いた

「服部くんも嬉しそうやったね」

「え?」

「うちには手ぇ振ってくれへんかったんに和葉にはちゃーんと振ってくれたやん」

「あんなん手ぇ振ったうちに入らへんよ…」

口ではそう言ってみるがやはり嬉しそうに和葉の目は平次を追っていた。



END.



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