居心地
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「和葉ぁ〜腹減った、飯できとるか?」

依頼で日中出かけていた平次が帰ってくるなり、それこそ玄関戸を開けたと同時にそう言う…

「おかえり平次w 事件の方どやった?」

ひょこっと顔を出し、和葉は聞く

「おうw楽勝や楽勝」

「平次やもんね♪ ご飯できとるからいつもみたいに話聞かせてなw?」

「いくらでも聞かせたるわw せやから早飯や飯。」

和葉にかばんをおしつけ、一直線にリビングへと向かう

「平次、ちゃんと手ぇ洗ってからやでー(笑)」

「解っとるがな…υ」

そんな後ろ姿にこっそり笑う和葉

これではまるで夫婦だ…

2人にそんな意識はおそらくなく、これが当たり前なのでだろう…

付き合い始めてからはそれまで以上にお互いの距離は縮み、単なる恋人をこえたような関係にまで達していた。






「そんでな、オレがそのトリックをこぉ見破ってやなw」

「へー相変わらずすごいなあ平次」

「せやろw? あとでご褒美くれな(笑)」

向かい合いに座り、和葉の作った料理を頬張りながら平次はいじわるそうに言う

「もう// すぐ調子乗るッ//」

ジトッと平次を見て……優しく笑う

「あとでな。」

「…ぉ! なんや和葉、今日ええことでもあったんか?」

「あったでー」

先ほどの平次同様、ちょっといじわるっぽく笑う

「何やねん?」

ジトッと和葉を見た

「何やろねー(笑)」

「…オレが帰ってきたからか?」

少し考えてから平次はニヤッと笑って言う

「ぇ!? 何でッ//」

和葉は慌てたような、ちょっと恥ずかしいような、驚いたような…

いろいろ混ざった表情で平次に聞き返す

「アタリか(笑) オレ、幸せモンやなー」

今日は珍しく平次についていかずにお留守番だった和葉。

それで日中は1人この事務所にいた…

「もう// 勝手に自惚れしときッ//」

ほんのり頬を赤く染めて平次から目を反らした

「何やねん素直に『寂しかった』言うたらええやん(笑)」

「別に平気やもんー」

べーっと舌を出し平次に言った

「ちぇっ…」

ちょっとふてくされたように箸を動かす

「やって平次は絶対帰ってくるもんw」

「・・・・・へ?」

その手が止まる…

「せやろ平次w?」

ニコッと笑う和葉にさらに固まる…

「……ぁ、あぁ…//」

不覚にも…

…だいぶ見とれていた平次が慌てて目を反らす

「平次ぃ〜 今、照れたやろ〜(笑)」

「なっ// そんなんとちゃうッ」

少しばかりテーブルに身を乗り出して平次を覗き込んでいた和葉の額をちょんっと小突いた

「っ!?」

「あほ。」

「もー平次のイケズぅ〜」

ぷくっと頬を膨らまして平次を見る…

「……!」

ぷしゅっとその和葉の膨らました頬を指で押す

そして…

「ん!?」

キス。

優しく和葉の頬に手を添えて…

触れ合うだけの優しいキス。

「…もう平次// あとで言うたやんか//」

ほんのり赤く染めた頬に手をやり和葉は平次を見る

「ん。あとでのは和葉から頼むわw」

「…あほ。」

何もなかったかのように食事に意識を戻す平次にぽつりと一言。

「ん?」

なに?と和葉に口を動かしながら視線を向ける平次

「……おいしぃ?」

そんな平次を見て呆れたような顔をしてから、料理を頬張る平次に言う

それを聞いて、平次はニコッと笑い

「おうw」

一言答える。

照れたように笑って和葉も食事につく。

こんなにも居心地のいい相手は他にいるだろうか…

平次も和葉も、お互いしかありえないのだ。



“ずっと一緒にいよう”




なんて言葉にせずとも2人はずっと一緒にいるのが当たり前…

その居心地の良さに慣れすぎて…

「平次、好きやで。」

「ん? 知っとるで。」

その優しい笑顔にも。



〜END〜



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