誰のしわざ?
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「和葉こっち…」

そう呼ばれて声のするほうへ行ったら抱きしめられた…

「平次?」

「静かにせぇ…」

「ちょっ…痛い平次…」

「せやから黙っとけ…」

真っ暗になった学校で。

2人は犯人を探していた…

校内に残るのは先生たちのみ。

この時間に生徒は残っていない。

もちろん教室の電気は消された。

廊下も。トイレも。

明かりの付くのは職員室と職員玄関。

そしてグラウンドのライト。

2人は昇降口の隅にいた。

外の明かりでわずかに見える生徒たちの靴箱…

平次が監視しているのは和葉の靴箱。

「…平次、もう先生行ったで。離して…」

「ん?ああ…」

「なあホンマに夜なん?」 

「朝は昨日見張ったやろ。あとは夜しかないで」

「別に平次がここまでせんでもええのに…」

「なに言うとんねん…和葉のほうからオレを頼ったんやろ?」

「そやけどこんなん先生に言うたら…」

「アカン。絶対オレがしばいたる!」

その意気込みは半端なかった。

2人が探している犯人というのは、

和葉の上履きを隠す人物。

毎日毎日…

上履きはすぐに見つかるのだがそれを聞いた平次は黙っていなかった。

「なんかアタシ嫌われることしたんかな?」

「犯人に心当たりないんか?」

「うん。昔はよお平次にやられたけど…」

「昔はやろ。ほんま小学生のイタズラや…一体誰がしとんねん…」

「ほんまやね…」

「もしかしたらアレやないか?」

「え?誰?」

「ひゅ〜ドロドロ…っちゅう…」

「ちょっやめてや!嫌や!!」

平次の一言でこの薄暗い昇降口が怖くなる。

「そうや!せやから夜なんや。夜はオバケの時間やからな?」

からかう平次は笑うが和葉の背筋は凍る…

「どないしてん?本気にすんなや。ただの冗談やろ?」

「ちゃう…ほら、見て平次…」

そう言って和葉が指さすのは自分の靴箱…

さっきまで、本当に今さっきまであった和葉の上履きがなくなっていた…

「なっ!?なんでやねん!!いつや!?」

思わず大声をあげる平次は靴箱を確認しに行く。

和葉もその後を恐る恐るついて行く。

そして、

空になった靴箱…

2人はそれを見て言葉を失う…

しばらく空の靴箱を見て平次が笑う

「ハッ…んなアホなことあるかい…オレらが話しとる隙にやったんやて…」

「そ、そやけどなんの足音もせんかったで?」

「き、気ぃつかんかっただけや。」

冷静を装う平次もこの謎は解けなかった。

静かに学校をあとにする2人…

ぎゅっと掴んだ平次の腕から和葉は離れない…

平次はそれを気にする余裕もなく考える…

「…怖いわ平次…」

「忘れろ。」



END.

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