恋のぼり
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ゴールデンウィーク最終日

5月5日こどもの日

この時期しばしば目にするのが





『鯉のぼり』





―服部家縁側―

豪勢な和風の庭

春の終わりを告げるようにギラギラと太陽が照りつける。

そんな縁側に面した和室にごろんと横になって寝ている平次がいる…

タンクトップに短パン、夏気分の姿…

部屋の戸は全て開放し、縁側近くの場所で、たまに吹く風でさらっとした髪がゆれる…

それにしても気持ちよさそうに眠っている…

今年はゴールデンウィークの初めから事件の依頼で出掛けており、帰ってきたのは昨日の夜だ。

さすがに疲れたのであろう、朝起きたのも10時を回っていた。

そして朝食という名の昼食を食べ、現在の時刻は1時過ぎ…

「平次、いてる?」

そんな昼真っ只中、和葉の元気な声と共にこの和室に和葉が入ってきた。

「……何や、寝てるわ…」

もうッと頬を膨らませて腰に手を当て平次を見下ろしていたが、

あまりにも気持ちよさそうに眠っている平次を見て優しく微笑み、縁側へと向かった。

そこに腰をかけ、足を家の外へ投げ出して立派な庭を眺めた。

「いっつも綺麗やわ…」

木々たちはもちろん隅々まで手の行き届いた庭。

「…ぁ、鯉のぼり…」

ふと視線を空に向けると隣の隣辺りの家だろうか?

鯉のぼりが仲良く3匹、風に揺られて空を泳いでいる。

「そぉゆうたらあの一番上のひらひら何やろ…?」

3匹の鯉たちの上でなびくひらひら…

「一番下が子鯉やろ…ほんで何やったっけ…?」

鯉たちにつけられた名前…

子鯉は解るがあとの2匹の名前が思い出せない…

「まあ、お母さん鯉とお父さん鯉やろ(笑)」

「ぷっ」

「え…!?」

後ろからバカにしたような吹き出し笑いが聞こえた

「…何やの“ぷっ”て」

振り返り声の主にムスッと聞く

「はははっあまりにも可愛えこと言いよるから(笑)」

「ほんなら平次知っとるん?」

「愚問やろ?」

ふんっと鼻で笑い、起き上がり和葉の隣に腰をおろす

「和葉の言う“お父さん鯉”が真鯉、“お母さん鯉”が緋鯉や。」

「……」

西の名探偵に聞いたのが間違いだった…

思いっきりバカにした顔で和葉を見ている。

「あとな、いっちゃん上の“ひらひら”は吹き流し言えや(笑)こいのぼり自体吹き流しなんやし…高2やろ(笑)」

「ひらひらって…アンタいつから起きとったん?」

「“ひらひら”発言5秒前。」

「もうッ//バカにせんといて///」

ぷいっとそっぽを向く和葉…ポニーテールも揺れる

はははっと笑いながら和葉のその後ろ髪を眺める平次

風が2人に吹きつける…

天気のいい日の風は気持ちが良い。

「気持ちええなぁ」

「…ぅん。平次はさっきも気持ちよさそうに寝とったけどな(笑)」

「あぁ…お前のせいで覚めてしもたけどな」

「ぇ、ごめん…」

嫌味っぽく言ったつもりがそうも素直に謝られたら平次の方がばつが悪くなってしまう…

「嘘や、嘘。別にお前のせいちゃうし//」

「何やそぉ言われると余計そぉみたいやん…」

「何でや?」

「平次が優しいこと言うはずないもん(笑)」

「何やとぉ」

「はははっ嘘や、嘘(笑)」

「たくっ〜」

ごろんと後ろに倒れた

「また寝るん?」

「んーほんならどっか行こか?」

「え…?」

「今年ゴールデンウィーク出掛けてへんから飯でも食いに行こうや。」

「ぇ、ほんまぁ?」

寝転がる平次の顔を覗き込み、キラキラ目を輝かせて平次を見る

「…ぉ、おう//」



〜END〜



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