1/1ページ目 「ん。」 「えっ……?」 和葉の目の前に差し出されたスプーンに乗ったかき氷… 緑のシロップがかかったメロン味 「はよ食え、溶けてまうやろ?」 「えっ…せやけど…」 「何やねん…食いたいんちゃうんか?」 今年の夏祭りは例年に増して賑やか 平次と和葉も当たり前のようにその人混みの中にいた 「食わへんのか?」 「……平次…せやけどそれって…」 「あん?」 「さっきまで平次が食べてたやつやん…」 ぴんっと伸びた綺麗な人差し指がそれを指す 「せやから何やねんて…」 「……」 全くそういう意識のない平次にがっくりくる和葉… 「たくっ…」 意味が解らずに平次はパクッと差し出していたかき氷を食べる 「…平次は鈍感過ぎや…」 「なっ…急に何やねん// ケンカ売っとんのか!」 「…ほな平次、ん。」 「えっ……?」 先ほどの和葉同様に固まる平次… 無防備に差し出されたスプーンに乗ったかき氷… 赤いシロップがかかったイチゴ味 「…はよ食べて。」 「…オレ、別に食いたいなんて…」 「解ったやろ…//」 ちょっと照れたようにに和葉はそのかき氷をパクッと食べる 「……」 平次は言葉がでない 解ったから… 「和葉…」 「なに?」 今度はきょとんとして平次を見る 「…間接が嫌やったら直接…」 「なっ/// なに言うてんの!!」 真っ赤になって抗議する和葉 「…冗談やて…」 本当に冗談で言ったのだが、こうもあからさまに真っ赤になられると… 「顔真っ赤やぞ?」 からかいたくなる… 「……」 「あん?」 てっきり言い返してくると思っていた平次は不思議に和葉を見る 「もぉ//何でもあらへんから見んといてッ//」 ぷいっと平次から目を反らす 「そこまで照れんかて冗談やろ…」 「……平次はそぉでも…」 ぽつりと呟いた和葉の小さな声… 「・・・・・・・ぇ?」 賑やかな祭りの中でも平次には聞こえる 「……」 「……」 しばらく無言の空気が流れる… 「…オレはそぉでも……なんや?」 「……別に…」 聞こえていたことに急に恥ずかしくなる 「和葉は…オレのこと好きなん?」 「ぇっ……」 明らかな反応を見せた… 「…はよ言うたらええんに…」 ぼそっと言うと同時に和葉の手を握り、走り出す… 「ちょッ//」 人混みかき分けて静かな場所に出る… 「…平次?」 「…アホ…」 「なッ//……え?」 赤い顔して言ったのが解った… 「オレもお前もアホや…」 「……はい?」 意味が解らずムッとして聞き返す 「せやから//」 ばっと和葉を自分の方へ引き寄せ、抱きしめる 「なッ///…ちょ…平次//」 胸のドキドキする鼓動が止まない… 「なあ…オレのこと好きか?」 「…アホ…離して///」 「答えたら離す…」 いじわるな声で耳元で囁かれて真っ赤になるのが自分でも解る… 「……アホ…」 ぽつりと呟いたと同時に、 「好きや。」 平次が言う… ばっと距離とってキス… 「…ん!?……」 びっくりなんて… 恥ずかしさなんて… すぐに平次が消してくれるような優しくて温かいキス… 「…アホ。」 離れると和葉はまた言う… 「なんやって?」 いたずらに聞き返す 「……好きや…アタシ、平次のこと//」 真っ赤な顔に大声で言われれば平次も真っ赤 「…ほな交換。」 「へ?」 差し出されたかき氷… まだ半分以上残っているかき氷… 「…ぅん…」 和葉もすっと自分の持つかき氷を平次に差し出す 緑のかき氷と赤いかき氷が交換された… 「オレ、ほんまは食いたかってんw」 「アタシも。」 ニコッと互いに笑ってさっきまでとは違う色を食べる。 〜END〜 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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