1/1ﾍﾟｰｼﾞ目 アタシはずっと好きやねん 小さい頃から… ずっとずっと見てきた… 幼なじみやったから？ ずっと一緒におったから？ ううん そうやなくても平次やから好きになったんや。 平次が好き “好き”なんて言葉に収まらへんぐらいに溢れるこの気持ち… 平次に伝えられたらどんだけ楽なんやろ？ せやけどこの想いを口にした途端今のこの関係が崩れてまいそうで… 「怖い…」 平次はなんとも思てへんことが解ってしまったらアタシがおかしくなりそうで… 伝わらない想いはこのままアタシの胸にしまいこんどこ思てたんに… さっきの平次がずっと頭から離れへんで眠られへん… 今は日付の切り替わる０時を回った… ずっと考えとる… 「平次はアタシのこと好きやったん？」 それは学校の授業が終わって、部活も終わって、いつも通り一緒に帰って、いつも通りのとこで別れて… それぞれ家に帰った… そして夕飯済まして部屋で寛いどる時や… 平次からアタシの携帯電話に着信があった… 何やろ？て思てすぐに電話に出た 「平次？」 『あーすまんな急に…』 いつもの平次らしなかった… せやから 「何か急用なん？」 て聞いた 『ああ…そぉやないんやけど…その…直接言うんもアレやったから…』 「……何なん？」 歯切れ悪く平次がそぉ言うからよっぽどのことなんかな思てもう一度聞いた 『…オレが何言うてもオレらの関係壊れへんよな？』 「は？」 意味解らへんかった… オレらの関係て何？ 幼なじみてこと？ 『…和葉？』 しばらく黙ってしもたアタシに平次は恐る恐るアタシの名前を呼ぶ… せやけどアタシはまだだんまりや… 何なんやろ？ アタシに文句でもあるんやろか… …なんやそぉ思たらだんだん腹立ってきよった！！ 「平次、なんやアタシに不満でもあるん？」 『は？』 今度は平次が意味解らへんみたいな声出した 「あれ？ちゃうん？」 『ちゃうちゃう// あほか…そんなんやったら直接言うたるわい！』 「……」 それはそれで問題やで平次…υ 『おい聞いとるんか和葉？』 「ぁ、ぅん…。そんで何なん言いたいことて…」 『あー そやから…オレが今から言うこと変思たら忘れてや…』 ほんま何なん？ もぉ充分変やわ… なんて思たけど分かったて返事して平次の言葉を待つ 「……」 『……えっと…和葉…オレ、その…』 「もぉ何なんはっきり言うてや！そんな今さら平次に何言われても平気やから！！」 ほんまに言いにくそうにしとるからアタシが思い切って言うた そしたら 『…いや、それはそれで嫌やな…υ』 なんてボソッと言うた 「え？」 それこそ意味解らへん… 『…や、そのな……オレ、おまえのこと好きや。…そんだけや、ほなな…』 「……」 それだけ言うて電話は切れてしもた… なに… 平次なに言うたん…？ なんやろ… 夢やないよね？ 平次がアタシのこと… 好きや…て言うた…… うそ… 切れた電話をただただ見つめることしかできひんかった… そんで今や… 秋の夜長… 虫の音も止んで静かな夜… どんなに目を閉じても平次のあの言葉がぐるぐると頭の中で木霊する… 寝られへんで窓を開けて今日は満月やったんやなんて月を眺める… 「平次は寝られたんやろか…」 アタシだけこんなんで今ごろ平次はぐっすりやったら嫌やわ… それやったら… 「…平次…アタシは…」 そんなんを考えとった時や、 “♪♪♪” アタシの手に持っとった携帯電話が鳴った 慌ててその画面を見たら… 「…平次…」 間違いなく画面には平次の文字 ほんのちょっと戸惑ったんやけどゆっくりと電話に出る… 「…平次？」 『ぁ、まだ起きとったん？』 「…ぅん…」 『…そぉか……あんな和葉、さっきのアレやけど…』 その言葉にドキッとした 『…オレ、どぉかしてたわ…』 「ぇ…？」 『せやからオレらは今まで通りでええよな？』 やっと解った… 平次もおんなじやったんや… アタシの気持ちと… 今の関係が壊れんのが怖いて… 「…平次、アタシな…」 『ん？』 「アタシも…おんなじやってん…」 『…て何が？』 「今のこの関係が壊れてまうんが…」 ほんまに怖いねん… ずっと一緒やったから今さら平次のおらん生活にでもなったら… 『……お前も…オレのこと好きやったん…か？』 ポカンとしとるような声で平次が言うたんが解る 「…そぉや…ずっと好き。平次のこと…」 窓の外の満月に向かってはっきりと言うた 『……ほんまか？』 「…ぅん…。ほんまのほんま。」 『・・・・・なんや…オレらあほみたいやん…』 「ぅん…そやね…」 ほんまに… なんも怖がることなんあらへんかったんやね… 『今から行ってもええ？』 「へ？」 行くて… 「ここに？」 『ああ…。今、お前ん家の前におんねん…』 えっ…て声になる前にばっと玄関前を見た… 「平次……いつからおったん？」 アタシずっと窓のそばにおったし… え？全然気ぃつかへんかった… 『お前が窓開けた時からおったで。』 この距離…やけどわざわざ電話でそんなんを言うた 窓開けた時からて…// 「なんで声かけてくれへんの//」 なんや急に恥ずかしなって窓に背を向けた 『…なんや声かけるんが……怖かった…のかもな…』 「ぇ？」 小さくなった電話の声… そっと窓の外を見た… 平次もアタシとおんなじように背を向けとった… 『なあ…行ってもええか？』 「ぇっ……ぅん…ええよ。」 小さなアタシの声を聞いた平次はそっとアタシの部屋の下まで来た そんで軽くジャンプしてこの窓に手をかけて上がってきた… 「…大丈夫？」 「楽勝や。」 そう言うと靴脱いでアタシの部屋に入った… なんでかアタシは正座や… 平次はそんなアタシをジッと見とったんやけど… 急に笑い出して 「なんでそんな固いねん(笑) ええやんオレらはオレらで。」 「えっ？」 「ちょっと好きが通じただけや。もともと好きやったんやから一緒におったんやろ？」 そらそぉやけど… ずっと思とったことが通じたんや… やっぱり普通にしろって言う方が無理やねん… 「アタシは…そな…平次みたいに普通にしてられへんょ…//」 最後の方は声にならへんかった… 「……まあ、オレもさすがに無理や…」 「平次？」 「オレに余裕あるように見えんの……これ結構必死なんやで…//」 頭に手をやってからふっとアタシから顔を反らした… 照れとる証拠や… なんやそぉ思たら嬉しくて思わずアタシは笑てしもた 「…あほ…笑うな//」 「平次、アタシ今めっちゃ幸せやわｗ」 「…オレも…」 ボソッと言うたんやけどばっとアタシの体が引き寄せられて平次に抱きしめられとった… あかん… ほんま幸せすぎや… 平次のドクドクいう心臓がばっちり聞こえる… 「…平次…めっちゃ好き。」 直接言うんはこれがほんまの初めて。 「…オレの方がもっと好きやでｗ？」 ギュッとされた…// 「アタシの方がもっともっとやｗ」 なんや嬉しくてつい口に出た 「そぉか？オレ、幸せもんやな～」 なんて言うた平次に思わず… ほんまに思わずや… 「ッ///」 キスしとった… アタシら初めて… しかもアタシから… 「…ごめん…つい…///」 してしもてからめっちゃ恥ずかしなって平次に謝る 「…別に謝らんでも……オレからもしてもええ？」 「えッ//」 「ええ？」 「ぅん…」 そっと平次がアタシにキスした… 優しくてあったかい… アタシからしたキスもこんな風に感じてくれたんかな…？ ～END～ [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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