300年待っとけ
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「ええなぁ…」

夕方のテレビ番組を見て和葉はうっとりしていた

「ん?なにがやねん?金環日食やったらおまえも今朝見とったやん」

和葉の見ているテレビの画面には今朝の金環日食が映っていた

「ちゃうよ…この太陽が月に隠れてリングになった時にな…」

「?」

「プロポーズした人らおって…なんやめっちゃロマンチックやん」

キラキラした目でテレビに映るカップルを見て和葉は言った

「…そんなにええんか?」

「見てみいこの女の人!めっちゃ泣いとるやん!絶対嬉しいてこんなプロポーズ…」

「…アホか…」

「もう!平次には分からへんよ!今朝かて日食全然見てへんかったやん!」

「あ、あれは…眠たなって…」

「ほれみい…平次にロマンチックなこと求めてもアカンねん…」

「オレに?」

「えっ…あ、なんでもない。」

和葉は慌ててテレビに夢中なフリをした…

平次はぼんやりその後ろ姿を見て

「ほんならあと300年したらオレが言うたるわ。」

「えっ?」

「次の金環日食待っとけ。」

そう言うと平次は部屋を出た…

するとそこには夕日のせいか赤く染まった和葉が残された…

「…って300年も待たれへんよ平次!?」



END.



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