夏祭り
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『えっ…夏祭りは?』

『悪いけどオレ行けへんわ。』

『なんでなん!約束したやん!!』

『せやから事件が…て、おい…泣かんでも…』

『まだ泣いてへんよアホ!!!』



こうして今年の夏祭りは2人ばらばら。

別にそうなりたくてそうなったのではない。

むしろ逆。

寂しそうな和葉の横顔が平次の頭からは離れなかった…






「まだ、おるやろか…」

事件が解決したあとの平次の頭の中は和葉のことだけ。

フラッシュバックするあの横顔が平次の足を動かした。





―夏祭り―





「えっ!? 平次?」

夏祭り会場に駆けつけた平次は一瞬にして不機嫌になった。

「あっ…服部先輩…」

和葉と部活の後輩2人。

「平次、事件終わったん?ほんなら一緒出店回ろうやw」

「おぅ…って、ちょお待て!オレはおまえが気にしてる思て…いや、何でもあらへん//」

「え?」

「っちゅうかなんでおまえがおんねん芹沢…」

後輩のうち1人は和葉のではなく剣道部、つまり平次の後輩。

「いやー遠山先輩に電話したら暇してはったみたいやから上原誘って一緒にて思て…あはは…υ」

「…さよか…ほなオレ帰るわ。」

「えーなんでなん!ちょお待ってや平次」

「オレと約束しとってなんでこんなん連れてんねん」

と2人の後輩を指さすと平次は言う。

「なっ…約束破ったんはそっちやん!」

和葉がふいっとそっぽを向くと平次の足は3人から離れる…

「…遠山先輩ええんですか?」

「ええの!」

「…服部先輩きっと遠山先輩のために来たんやと思いますよ?」

「え?」

「オレらその辺ぶらついて帰るんで先輩、服部先輩のとこ行った方がええですよ」

「え、ええよ…平次なんほっといても…」

「ダメです。約束したんでしょ?」

2人の説得に和葉は…

「…平次っ!」

駆け出した。

もちろん平次の元へと。











「なんやねん…」

「だって約束守ってくれたんやろ平次?」

ニコッと笑うと和葉はたこ焼き屋に走る

「…奢ったらへんで…」

「もぉー別にええもん!」



END.



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