文化祭のドキドキ
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「…平次……」

「なんや?」

普段となんら変わりない声。

和葉の不安なんて気づいていても気づかない振り。

「…怖い…」

正直に感じたことを口にすると和葉はぎゅっと平次の服の端を掴む…

「何が?」

「…全部や全部…なんでお化け屋敷なん入ったんよ!!!」

和葉の方が怖い…いや、恐い。

なんて思う平次だが、先へと進む…

「ちょっ…待ってや平次…」

慌てて駆け寄る和葉は平次の腕に離れないように抱きつく…

「…あんなぁ…3年生がやっとる言うても遊園地みたいなんとちゃうんやからひっつきすぎや…」

そう、今日は高校の文化祭。

いろいろ出店もあれば中にはお化け屋敷なんてものもあった。

平次の確信犯的な行動のせいで和葉はビクビク…

「きゃっ!」

急に掴まれた手に悲鳴を上げる

「いちいち耳元で騒ぐなアホ…キーン響くわおまえの声は!」

「しゃーないやろっ…急に手ぇ掴まれたんやもん//」

「手ぇ…なあ…」

その手をそっと平次は見る…

「おまえ…お化けといつまで手ぇ繋いどんねん(笑)」

「えっ…き、きゃー!!」

お化け役の先輩を半ば押し倒して和葉は駆け出す…

「いったー…遠山のやつほんま怖がりやなぁ…」

「あっ…おまえ…」

「…おまえて…服部、仮にもオレは先輩やぞ?」

「そら、すんません。和葉に告って玉砕された思うとなんや(笑)」

「腹立つやっちゃなーシバくで?」

顔見知りのような先輩と呑気に話している間に自分を呼ぶ声…

「平次ー早よ来て!!」

きゃーきゃー叫ぶ和葉に呆れたような平次は、

「ほんま怖がり過ぎやで…」

「早よ行ったれや…」





「ふぅ…やっと抜け出せたわ…」

安堵のため息をつくと不意に掴まれた手にまたも悲鳴をあげる

「きゃっ!?」

「ビビり過ぎや(笑) ほら次行くで♪」

平次に引っ張られるがままに和葉はついて行く…。



END.



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