1/2ﾍﾟｰｼﾞ目 なんとなく… なんとなくや… ほんまになんとなく… 気ぃついてしもた… コイツのこと… 好きなんやて… いや、まぁ… 好きやから一緒におるんや… せやけど… ちょっとちゃうねん… 好きや… 好きなんは好きなんやけど… なんや今までのとはちゃう感じや… ほんまに… なんや、オレもそこらへんの男と変わらへんやんかっちゅうくらい… 今、目の前におるこの女を抱きしめたい… オレから見えるんはその頭の後ろで結ばれたリボンとそのしっぽ。 部屋にある小さなテーブルに顔を伏せてこの女は寝とる… オレはその後ろのベッドの上からそんな和葉を眺めとる 小さな寝息だけがこの空間に聞こえる 今さら何とも思わへんけど… なんて思えへんほどいろいろ考えてまう… なんでコイツはこんな無防備に寝れるんや… とか、 なんでオレがおるんに寝とんじゃ… とか、 オレのこと信用しすぎちゃうか… とか… 結局言いたいことはやな、 そんな短いズボンで白い足を無防備にさらして、 たまに甘い声で寝言みたいになんか言うて、 そんでここは、正真正銘オレの部屋であっておまえん家やない！ おまけにおまえは女であってオレは男や… なんてな… 今さらこの固く固められた幼なじみっちゅう関係を壊す気にはなれへん… いくらオレが変な気起こしてもコイツにそんな気がないなんて解っとる… ……っちゅうことはオレにはあるんや… アホやな… 自分で思てやっと気ぃついた… そらまぁ最近妙に和葉に触れたいなんて思とった… 前ならそんなん普通に出来た… 今はあと数cmのとこでその手が止まる …この関係を壊してまうんは惜しい… 今の関係はオレ、 …好きやから… たぶんコイツも… せやけど… やっぱし前にも進みたい… ベッドからそっと降りて和葉の寝るテーブルの向かい側に座る ゆっくりと和葉の前髪に触れてみる… 何も感じないんか和葉は気持ち良さそうに寝とる せやからそっと和葉の髪を透いてやる… やっぱり女の髪やな… さらさらしとるんが解る… 綺麗な黒髪にオレはごくりと息を飲む そんで、 何を思たんか後ろ髪を結ぶリボンの片紐を引っ張った… しゅるっとそれはほどけてしっぽは崩れる… 長い髪はやっぱり綺麗で… それに見とれとる自分がおって… そしたら和葉がほんの少し唸った… おっと… そぉ思てさっと髪から手を離す せやけどリボンは手に持ったまま… ああ… これ、あとでどぉ言い訳すんねん… この手に持つオレがほどいてしもたリボン… さすがに結び直せるわけない… くるくると指でそれをいじってオレは考える… やけど目線はチラチラと和葉の寝顔に向いとった そして、ぼんやり気持ちよぉなる… [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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