土方本

■□伝言3・伊庭□■
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*伊庭八郎*


小太…

さっき歳さんの声が聞こえたよ

ちょいと遅れちまったがもうすぐ逝ける

もうやり残したことはねぇさ。


なぁ、歳さん…


[声]


いつかあんたが

「約束なんて形のないもので、ただの慰めにしかならない」

って言ってたっけねぇ。


確かに、そいつぁそうかもしれねぇ。

だけどさ、歳さん。

それであんたを慰めることができるなら

おいらはいくらでも約束するよ。

約束が100%じゃないとしても

そいつを叶える為の努力は出来るだろう?

おいら、ありったけの力で約束守るから。



まったくなぁ…

あんた昔っから変わってねぇなぁ

気丈に振舞っちゃぁいるが

本当は結構寂しがりさね。

おいらにゃばれてるよ

歳さん怒るから言わねぇけどさ



なぁ歳さん

あんたの人生、どうだったかえ?

悪くねぇよなぁ

おいらもあんたもこんな時代に生まれちまったけど

こんな時代だからこそ出来たことも

いっぱいあったよなぁ


少なくとも

昨日のあんたの「行って来る」ってぇ声は

そう思わせてくれた


そいつを聞けたんだから

それだけでも

おいらが守った約束は

あんただけじゃなくおいらにも「価値」があるさね。



「歳さんより先には逝かない」



守ってやったよ。

約束だって悪くねぇだろう?

これでおいらも

胸張ってあんたのとこに逝けらぁ


片腕用意して

あっちで待っててくんな


fin.
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