土方本

■□曼珠紗華□■
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今日もまた、一日が過ぎていく。

今日もまた、人の命を強制的に絶った。



[曼珠紗華]



「総司、こんな時間までどこにいた」

毎日のように繰り返される、土方さんのお説教。

まったく、心配性な人だ。


「鬼」なんて言われてるけど

本当の土方さんを知ったら、みんなどんな顔するかな?


「おい、何笑ってんだよ。気持ちわりぃな」

怪訝に眉を顰めるその顔がまた可笑しくて。

「何でもないですよ」

そう言いながらまた笑ってしまった。



一通りお説教をくらった後、

部屋を出た私はまた散歩に出かける。


土方さんのお説教は嫌いじゃないけど

それで反省したことは一度もない。




夕暮れ時の一本道は

目の前の光景を赤く変えた。

道の両側に咲いていた曼珠紗華の花は

真っ赤な色に深みを加えていた。

人のいない道は、酷く静まりかえっていて。



まるで。

この世の終わりの光景を見ているような気さえした。

世の中全てが、真っ赤に染まっていくような、そんな。



一度立ち止まってみたら

曼珠紗華の赤に吸い寄せられて。

目が離せなくて。


一瞬後に

沢山の記憶が体中を巡った。



___やめて

そんな目で見ないでよ。



斬りたくなる。




ああ

また

___狂気。



本当の鬼は


私だ。



再び誰も居なくなった一本道の真ん中には

一輪の曼珠紗華の首だけが

風に吹かれて

小さく揺れていた。

fin.



★☆★☆★☆★

あとがき

くろみつは今日も元気に生きています。笑

沖田さんのイメージは、私の中では実はもっと違います。
もっと…軽い男?笑
「斬っちゃおうか」って簡単に思って、でも特に何も感じないような。
おー、怖い。

でも、小説で書くとするなら、私はこういう沖田さんが好きです。
ダークな感じ。
二面性をもった男。

でもそんな貴方が好き。笑

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